抗原検査やPCR検査には、厚生労働省によって正式に承認された検査と、そうでない、いわゆる研究用検査が存在します。ACT Lab.では厚生労働省によって承認された検査法と検査装置によって検査を行い、また、検査を実施する検査室は沖縄県や那覇市によって衛生検査所として正式に登録されています。
抗体検査はまだ国内で正式に承認された検査法はありませんが、世界的にもっとも実績のあるRoche Diagnostics社やAbbott社の機器・試薬を使用して行っているためその検査結果は世界中で評価が可能となっています。
抗原定性検査
|
抗原定量検査
|
リアルタイム
RT-PCR |
抗体定量検査
|
|
---|---|---|---|---|
検査対象 |
ウイルスの
タンパク質 【ウイルスの有無】
|
ウイルスの
タンパク質 【ウイルスの有無】
|
ウイルスの
遺伝子 【ウイルスの有無】
|
ウイルスに対する
抗体 【免疫の有無】
|
検体採取方法 |
鼻腔ぬぐい液
綿棒で鼻の入口から2cm程度ぬぐう
|
鼻腔ぬぐい液
綿棒で鼻の入口から2cm程度ぬぐう
|
唾液
容器に1~2ml溜める
|
血液
微量の血液
|
検査時間 |
◎
15分
|
○
最短60分
|
△
2時間以上
|
〇
最短60分
|
判定表記 |
陰性か陽性かの判定のみ
|
陽性時は検出したウイルス量を表記
|
陽性時は検出したウイルス量を表記
|
陽性時は検出した抗体量を表記
|
陽性時の感度 |
△
他者へ感染する高いレベルのウイルス量以上
|
〇
他者へ感染するレベルのウイルス量以上
|
◎
他社へ感染するレベルより低いウイルス量まで検出
|
ー
|
検査時間 |
◎
15分
|
○
最短60分
|
△
2時間以上
|
〇
最短60分
|
新型コロナウイルスの特徴的なタンパク質(Sタンパク質)に対する抗体の有無を調べることで、新型コロナウイルスに対する免疫の有無を確認します。
この方法では、ワクチン接種により誘導される抗体の検出とその量(抗体価)が測定できます。また、また感染の自覚がない方で抗体が検出された方はすでに新型コロナウイルスに感染した過去があることがわかります。ワクチンを接種しても抗体ができたか不安な方も検査の対象になります。
当センターの検査実績は、世界的にも数多くの使用実績があるRoche Diagnostics社の検査装置と検査薬を使用したものが、北部地区医師会病院との共同研究により、その有用性が明らかになっております。この取り組みは県内で最も早く、国内でも有数な実績となっています。(詳細はこちら)
当センターの抗体定量検査では、独自プロトコルにより指先からの微量な血液での検査が可能です。ご自身で指先より血液採取していただきます(0.1mL未満)。微量採血専用のランセットを使用するため、簡単に採血することができます。検査は完全自動化されているため、検査ミスが極めて少なくなっています。
これまでの研究から一定の抗体価を持つ方は、再び新型コロナウイルスに感染しても重症化するリスクが低い事、ワクチンを接種しても抗体価が十分でない方を識別することが可能となっています。
※感染後およびワクチン接種後の抗体価やその推移、感染予防や重症化予防との関係については、現在も研究が続いています。抗体検査陽性は、「感染しない」「重症化しない」ことを保証するものではなく、陽性であっても引き続き感染予防に努めてください。
検査機器:cobas e411 plus(Roche Diagnostics社)
検出試薬:Elecsys Anti-SARS-CoV-2 S RUO(Roche Diagnostics社)
検体種別:血液
(写真 抗体定量検査で使用する自動検査機の1例)
新型コロナウイルスの出現以来その検査法としてPCR検査が一般的になり、多くの検査が行われるようになってきています。しかしながらPCR検査は高度な技術を必要とし、その操作を行える検査技師が限られています。そのため多くの検体を一度に検査するには限界があります。ACT Lab.が連携するAVSSは、2020年4月からの沖縄県でのPCR検査を確立し、県行政検査を一手に担ってきた実績を持っています。その結果、2021年10月の県内PCR検査数は人口1000人当たり国内で最も多い数となっています(沖縄、警戒レベル第2段階に引き下げ 1年3カ月ぶり PCR検査は全国最多 - Yahoo!ニュース)。
しかしながら、第5波に非常に多くの感染者が出ましたが、今後第6波ではどれだけの感染者が出るか予測ができず、PCR検査だけでは対応仕切れなくなると考えています。一方、新型コロナウイルスが今後ある程度制御されるようになると再び海外からの来訪者が増えて来ると考えられます。当分の間はこのような方々の新型コロナウイルス検査も必須になってきますが、そのような場合にもPCR検査だけでは対応できません。そこでACT Lab.ではAVSSと協力して現在成田・羽田空港等の入国時検査で採用されている定量抗原検査法を沖縄に導入しました。この検査はほぼ自動化で行えます。かつ、多検体処理および検査時間の短縮が可能となります。実質の検査時間はほぼ30分です。この検査法はPCR検査法より感度が低いものの、他者への感染性を有する感染者の特定に十分な感度を有するため、現在国がその応用を積極的に進めています(COVID-19 病原体検査の指針)。沖縄での新型コロナウイルスの検査法として積極的に普及させていきたいと考えています。
検査機器:Lumipulse G600II(富士レビオ社)
検出試薬:ルミパルス SARS-CoV-2 Ag(富士レビオ社)
検体種別:だ液
判定基準:
0.67 pg/mL未満 → 陰性
0.67 ~ 4.0 pg/mL → グレーゾーン(陽性疑い)
4.0 pg/mL以上 → 陽性
※稀に陰性か陽性かの判断が難しい結果が得られます。ご希望の方には、PCR検査(無料)での再検査を案内いたします。
(写真 抗原定量検査で使用する自動検査機の1例)